ブダペストからエゲルへの行き方、ハンガリーの快速電車に乗る【車内・費用など】

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国土がそれほど大きくないハンガリーでは、首都ブダペストから多くの都市へ容易にアクセスできます。
その中で、ブダペストからの日帰りにおすすめな地方都市が北東部にあるエゲル(eger)です。
街並みが綺麗でエゲル城をはじめとして歴史的建造物も多く、さらに赤ワインの銘醸地でもあります。

ブダペストからエゲルへは電車で2時間弱で行くことができます。
5月末、実際にブダペスト東駅からエゲル駅まで鉄道を利用しました。

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ブダペストからエゲルへ直通で1時間50分

快速電車のインターレギオ

ブダペスト東駅から1時間毎にエゲル行きの電車が出ています。
列車種別はインターレギオ(Inter Regio:快速列車)で、比較的新しい二階建ての電車が使われています。
ブダペストから終点エゲルまでの所要時間は1時間50分程度、距離は140㎞です。

全席自由席なので好きな席に座りましょう。
車内はやや狭いクロスシートで、窓側にコンセントがあります。
また列車内にはトイレもあります。
快適な乗り心地とは言えませんが、2時間未満なら苦にならない程度だと思います。

ブダペストからエゲル行きの電車の車内
二階席の車内
ブダペストからエゲル行きの電車の座席

インターレギオ以外にはブダペストからインターシティ(特急列車)に乗って、Füzesabony駅でローカル列車に乗り換える方法もあります。
所要時間はあまり変わりませんが、インターシティ利用だと乗り換えと追加料金が必要なので、直行便のインターレギオで行く方がおすすめです。

エゲルまでの料金は約1,000円

チケットはハンガリー国鉄のサイトから購入できます。
もともと全席自由席ですし、ネットだと5%安くなるだけでですが、混雑した窓口に並ばなくても良いメリットがあります。
詳しい方法については、トカイ行きインターシティの記事を参照してください。

ブダペスト・エゲル間の料金は2,520フォリントで、日本円にすると約1,000円です(2023年9月の料金・レート)。
ハンガリーは物価上昇が激しく、最近の日本円ほど酷くないですが通貨フォリントもユーロやドルに対して長期下落傾向にあるので、最新の情報はチェックしてください。

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乗車記:新型の二階建て車両でエゲルへ

ウィーンへ行くレイルジェットなど国際列車が多数発着する壮麗なブダペスト東駅。
機関車が牽く格式ある長距離列車に交じって、近郊列車らしい二階建ての電車が駅の入り口正面のホームに堂々と構えていました。
図体の大きな新型車両は周りの列車にも見劣りしません。

二階席に座って出発を待っていると、通路を通りかかった男性が隣の空席にキーホルダーのようなものを無言で置いていきました。
他の乗客にも同じことをしています。
まさか快速電車で車内サービスがあるわけないので、物売りに違いありません。
実際に、周りの客も誰もそれに手を付けていませんでした。

発車直前になるとキーホルダーは回収されました。
おそらく袋を開けてしまったら(法外な)代金を請求されるでしょうから、こういう場面に出くわした際には注意してください。

11時ちょうどにブダペスト東駅(Budapest-Keleti)を出発。
ブダペスト郊外には明るい雰囲気の住宅が点在しています。

車内は学校行事の遠足らしい子供たちで賑やか過ぎました。
担任の先生が何度も「シーッ」と注意するのですが、ほとんど効き目がありません。
しかし、威厳のある女性がやって来て何かをピシャリと言い放つと、子供軍団は水を打ったように静まり返りました。
いよいよ教頭先生のお出ましかと思ったら、検札のために巡回している車掌でした。

特急列車も通る幹線を快調に飛ばします。
車窓はただひたすらにハンガリー大平原が続きます。

Füzesabony駅からはローカル線に乗り入れます。
それまでの乗り心地が良かった幹線とは対照的に、線路は粗末になり列車の速度はガタ落ちします。
二階建て車両がフラフラと左右に揺れながら駅のポイントを渡る所などは、こちらもハラハラします。
50年以上は経っていそうなレールバスのような車両も現役です。

一時はすくみあがった子供たちが暫くするとまたうるさくなり、そして車掌が通った時だけビクビクするというサイクルを繰り返しながら、やがて終点のエゲル駅(eger)に到着しました。
広い割にはホームに屋根も無い、意外と簡素な駅でした。

電車に向かってカメラを構えると、青年がポーズを取ってくれました。
「令和の生麦事件」よろしく、撮り鉄だったら彼に挑みかかって金を要求するところですが、私は乗り鉄なのでお礼を述べました。

エゲルのニキ、素敵なポーズありがとう。

エゲル駅から市内中心部までは15分~20分くらい歩きます。
観光のメインとなるエゲル城からは街並みが見渡せ、城内にも幾つか博物館があるので、ここで数時間は過ごすことができるでしょう。
エゲル城は16世紀のオスマントルコによる侵攻の際に、戦力差で不利ながら善戦した歴史を持った史跡です。

城を守った城主
城から眺めるエゲル市街

そして、カフェでは香りと味わいが豊かなエゲルワインを、ブダペストの外国人向けレストランの3分の一未満の値段で飲むことができます。

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エゲルはブダペストからの日帰りにおすすめの都市

「牡牛の血」とも呼ばれる銘酒、エグリ・ビカヴェール
ハンガリー人の兵士が飲むワインを見て、牡牛の血だと勘違いしたトルコ軍が逃げ出したという逸話がある

ハンガリー観光はブダペストだけでも十分すぎるほど満足できるので、地方都市はどうしても疎かになってしまいます。
しかし、東京やパリだけを訪れて日本やフランスという国を理解できるでしょうか?

適度なサイズのエゲルは、街並みの美しさだけにとどまらず、歴史とワインを存分に味わうことができます。
東京から湘南新宿ラインに乗って熱海まで行く感覚で、ブダペストから新型電車インターレギオに乗ってエゲルへ日帰り旅行に出かけましょう。

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