E257系5000番台「あずさ」、半室グリーン車の乗車記【2023年5月】

旅行記

中央本線(東線)の特急「あずさ」「かいじ」は、基本的に全てE353系で運転されています。
しかし、多客期のみ運転される臨時の「あずさ」の中には、一昔前のE257系のリニューアル編成が使われるものもあります。

2023年のゴールデンウイーク終盤に、松本駅から立川駅まで臨時「あずさ76号」のグリーン車に乗車しました。

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中央本線はE257系の故郷

臨時列車専用車両のE257系5000番台

臨時「あずさ」に使われるE257系5000番台は、白い車体に窓周りが黒と緑の塗装です。
一見すると上野から吾妻線に乗り入れる「草津・四万」と同じですが、この編成の特徴はグリーン車が連結されていることです。
そのグリーン車は6号車のうち半分のみという珍しい客室です。

E257系5000番台は定期列車での運用はなく、臨時列車でしか走っていません。
また、臨時「あずさ」のうちでもE257系で運転されるのは少数です。
この編成の改造元は、かつて中央本線で主役として働いたE257系0番台です。
つまり、臨時「あずさ」は新入社員時代の思い出の職場に、非正規社員として再雇用された形になります。

E257系0番台と現在の主役E353系、中央本線特急「あずさ」の並び
リニューアルされる前のE257系0番台(右)と現在の主役E353系(右)

座席未指定券での乗車は極力避けるべき

臨時「あずさ」も定期列車と同様に全席指定席で、自由席車両というものがありません。
座席予約がない人、つまり座席未指定券の人は普通車の空いている席に座るシステムです。
ただし、この車両で運転される列車の場合、座席未指定券での乗車はおすすめできません。
なぜなら、座席予約の有無を知らせる頭上のランプが無いので、どこが空いているのかが分からないからです。

そもそもこの車両が駆り出されている時点で繁忙期なわけですから、座席のほとんどが埋まっていることが予想されます。
なので、基本は座席指定をするべきです。
どの列車も満席の場合は、途中立ち席を想定したうえで前後のE353系の列車に乗りましょう。
E353系にはランプが付いているので、「赤」が点灯しているうちは座れることが分かります。
ちなみに、「えきねっと」で予約する時の車両判別方法は、グリーン車で座席が7列しかないのがE257系です。

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E257系5000番台の車内・サービス

普通車の車内と座席

E257系5000番台、臨時「あずさ」の普通車の車内
普通車の車内

オリジナルの0番台の雰囲気とほとんど変わりません。
私が気づいた相違点は荷物棚部分の側面の色くらいです。
座席・床共に明るくポップな印象です。

E257系5000番台、臨時「あずさ」の普通車の座席
普通車の座席

グリーン車の車内と座席

E257系5000番台、臨時「あずさ」のグリーン車の車内
グリーン車の車内

グリーン車は半室構造の珍しいタイプ。
乗っていると落ち着いた雰囲気があります。
座席配置は普通車と同じ2&2列ですが、座席は大型で高級感があります。

E257系5000番台、臨時「あずさ」のグリーン車の座席
グリーン車の座席

フリースペースがある

E257系5000番台のフリースペース
フリースペース

グリーン車の隣の車両(たしか7号車)にはだれでも利用できるフリースペースがあります。
こじんまりとした空間で長時間利用に適した椅子ではありませんが、気分転換にはなると思います。

E257系5000番台のフリースペース
通路を隔てて反対側
0番台時代の写真

車内販売・コンセントはない

定期列車の「あずさ」には車内販売がありますが、臨時列車では営業していません。
また、自動販売機も設置されていません。
買い物は事前に済ませましょう。

また、この車両にはグリーン車であってもコンセント無しです。
同じE257系でも「草津・四万」や「踊り子」用のリニューアル編成はコンセントが増設されていますが、非常勤の車両には手厚い福利厚生は施されなかったようです。

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【乗車記】普通車・グリーン車共に満席

ゴールデンウイークも最終盤となったこの日は雨。
アウトドアなどの行楽で訪れていた人は気の毒ですが、それでも昼下がりの松本駅は旅行客で賑わっています。
みどりの窓口には「本日の新宿方面への列車はすべて満席です」の張り紙がありました。

ずっと前からホームに入線していた「あずさ76号」の扉が開いたのは出発10分くらい前だったと思います。
少年の撮影が済むのを待って、私も珍しいE257系をカメラに収めます。

14時10分、松本駅を出発した時点では車内はあまり混んでいませんでした。
この列車の車内放送は自動ではなく、全て車掌が行っていました。
頭上のランプがないこと、コンセントがないことなどを繰り返し説明しています。

グリーン車だからかもしれませんが、行きの定期E353系と比べても、乗り心地はそれほど変わらないようでした。
ただし、車体傾斜機能が無いので、カーブでは遠心力を強く感じます。
車齢は20年以上になる車両にしては快適です。

諏訪湖のほとりを走る

レアな車両で運転される臨時列車の希少価値の高いグリーン車ということで、乗客は鉄道ファンが多いのかと思っていましたが、実際は普通の旅行者ばかりでした。
大きなカメラをぶら下げて、コーラとジャンクフードを貪る輩はいません。
一人旅の外国人が、ずっと列車に乗った自分の写真を撮っています。

ただでさえイレギュラーな車両運用ですが、私が乗っている6号車は車両の真ん中に乗降ドアがあり、しかもそこにはグリーン車ステッカーが貼ってあります。
そのため、駅到着のたびに乗客がホームを駆け回ってドアを探しています。
上諏訪駅で礼儀正しい若い女性が隣に座りました。

あいにく雨が降っていて、南アルプスや富士山を眺めることはできません。
今日の目的は車両なのでまあ良しとします。
しだいに乗客が増え、予想通り甲府駅で満席になりました。
「あずさ」の車窓ハイライトである塩山駅付近のパノラマも、辛うじて甲府盆地の立体的な地形が感じられる程度です。

塩山駅付近

この列車は臨時列車なので、ダイヤも定期列車の合間を縫って作られています。
そのため通常の特急よりも所要時間が長いです。
特に列車本数が多くなる大月駅からは、明らかに速度が落ちました。
実際、速達タイプの「あずさ」は新宿~松本を2時間半程度で結びますが、我らが「あずさ76号」は3時間以上を要します。

大月駅付近

雨にも負けず、たまに沿道や駅には撮り鉄がいます。
踏切の傍で三脚を立てている者もいれば、部屋着姿でスマホをこちらに向けているおばさんまで、多種多様な属性です。

ノロノロ運転で心配でしたが、立川駅には16時55分の定時着。
棚の上にある隣の女性の荷物を降ろして下車。
上諏訪駅での乗車時と同様、目を細めながら丁重に礼を述べられます。

ホームで列車を見送って僅か4分後、松本駅を40分も後に出発した定期「あずさ38号」が滑り込んできました。

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首都圏のピンチランナー

E257系5000番台は「あずさ」を主にして、多客期の臨時列車に運用されています。
もともと汎用性の高い標準車両という立ち位置で登場したので、なるべきようになったというべきでしょう。
フレックスタイム制の雇用形態に切り替えたE257系には、「夜間勤務」(夜行列車)という選択肢も健闘していただきたのですが、それはやはり無理なのでしょうか。


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