最上川沿いの奥の細道、陸羽西線乗車記【車窓・高速化案など】

ローカル線
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陸羽西線は奥羽本線の新庄駅から羽越本線の余目駅までを結ぶ、全長40㎞余りの短いローカル線です。
「奥の細道最上川ライン」という愛称の通り、最上川に沿って走る風景が印象的な路線です。
2020年の3月上旬に酒田から新庄まで乗車しました。

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陸羽西線の旅行記

快速を含め半分の列車は酒田発着

新庄行きの陸羽西線の列車9往復のうち、5往復は始発が羽越本線の酒田になっています。
また余目始発の列車の場合でも、酒田駅からの羽越本線の普通列車との接続は概ね良好です。

陸羽西線区間の余目~新庄の所要時間は普通列車だと45分、酒田~新庄でも1時間程度です。
1往復のみ(下りの快速運転は羽越本線内のみ)快速「最上川」が運転されており、酒田~新庄を5分~10分早く結んでいます。

庄内平野と最上川の車窓

酒田駅0番線ホームで出発を待つ陸羽西線の気動車

酒田駅の0番線ホームから2両編成のディーゼルカーに乗り込みます。
この0番線ホームというのは、幹線から分岐するローカル線の列車の発着によく使われる形態で、だいたい1番ホームの反対側の端の方にあります。
酒田発の場合、最上川などの車窓が楽しめるのは進行方向左側なので、必ずこちらの席を確保しましょう。

酒田駅から余目駅までは羽越本線を走ります。
庄内平野とその向こうにそびえ立つ鳥海山の景色が、早速我々を楽しませてくれます。

余目駅から陸羽西線に入っても方角が変わるだけで、しばらくは同様の風景です。

羽越本線内より。
庄内平野と鳥海山。

最上川が見えるのは、おおよそ清川駅から古口ふるくち駅までの区間です。
清川駅で庄内平野の車窓は終わり、線路は山間部に入っていきます。
進行方向左側に最上川が流れていますが、木々で遮られて見えづらい所も時々あります。

しばらく最上川沿いを走る。
時々木々やトンネルで眺めは遮られる。

特に車窓で注目したいのは高屋駅~古口駅で、幅の広い川が屈曲している風景は雄大です。

大きく屈曲する川

最上川に迫った山間部に何とか線路が敷かれており、それでも物理的に不可能な場所では地形に逆らってトンネルを掘っています。

古口駅まではトンネルが連続する

古口駅は快速「最上川」も停車する、沿線では大きい方の駅です。
ここを過ぎてから第一最上橋梁を渡ると、ついに最上川とは別れます。

長い橋を渡って最上川と別れる

その後は車窓は開けてきて、水田や住宅地が広がります。
前方にそびえる山々を見ながら、新庄を目指して直線の線路をひた走っていきます。

遠くに山が見えるが、それに挑む間もなく新庄に着く

左から奥羽本線の線路が寄り添ってきて新庄駅に到着です。
新庄駅から陸羽東線で奥羽山脈の分水嶺を越え、宮城県の小牛田まで行くことができます。
また奥羽本線も新庄を境に軌間が変わるため運転系統は完全に分離されており、まさに鉄道の十字路となっています。

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陸羽西線の特急運転を夢想してみる

さて、優等列車も無い短距離ローカル線の陸羽西線ですが、実は曲線・勾配が少なく高速運転向きの路線でもあるのです。
現在も普通列車以外に快速「最上川」が1往復ありますが、以前は準急・急行列車も設定されていました。

例えば急行「月山」は、米沢・山形・新庄あるいは仙台と日本海側の酒田や鶴岡とを結ぶことで、山形県の主要都市を繋ぐルートが完成させていました。
陸羽西線を最高速度110㎞くらいまで高速化して特急を走らせれば、新庄~余目の所要時間は30分をきることも不可能ではないと思われます。

しかし致命的なのが、奥羽本線の新庄までは在来線よりも線路幅が広い標準軌になっていて、直通運転が物理的に不可能だということです。

そこで考えられるのは、昔の急行「もがみ」を特急列車として復活させ、
仙台→(東北本線)小牛田→(陸羽東線)新庄→(陸羽西線・羽越本線)酒田
というルートで走らせて、新庄では山形新幹線「つばさ」と接続するという案です。

新設特急「もがみ」の運行ルート案

新庄駅での乗り換え時間が短ければ、山形~酒田の所要時間は合計で1時間半強になります。
仙台からの場合も仙台~小牛田が25分、小牛田~新庄が80分と想定すれば、酒田まで2時間半以内に到着可能です。
いずれにしても高速バスよりも所要時間が短く、集客が見込まれると考えられます。

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古よりの交通路

「五月雨を あつめて早し 最上川」
ご存じの松尾芭蕉の俳句に詠まれ、日本三大急流と呼ばれた最上川ですが、治水・開発工事のためか、今では川幅の広いゆったりとした流れを見せています。

この川は昔から水運の交通路として利用されてきました。
そしてこうした流通によって、商業の街酒田の発展がもたらされたといいます。

酒田市の観光名所、山居倉庫の前に展示されている船。
最上川における水運に使われた。

川下り舟に代わって輸送を担っている陸羽西線は、古の俳句で彩られたロマンがあるだけでなく、将来性も秘めたローカル線なのです。

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