ミュンヘンからプルゼニュ経由でプラハへ、Alexの二等車で鉄道移動【予約方法・車内】

ドイツ・オーストリア・中欧

南ドイツ、バイエルン州の活気ある首都ミュンヘンと、チェコの首都で「建築博物館」と讃えられるプラハ。
両都市の間には直通列車Alexが運行されています。
自然豊かな国境付近の車窓を楽しむことができ、途中で観光地として魅力的なプルゼニュ(ピルゼン)も経由します。

2023年5月末、午前中にミュンヘンを発ってプラハへ向かいました。

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ミュンヘン~プラハの所要時間は5時間半

ドイツとチェコを結ぶ国際列車Alex

ミュンヘン中央駅とプラハ本駅を結ぶ国際列車は、チェコ国鉄とドイツのバイエルン州の民間鉄道会社(以下”Alex”と表記)が共同で運行しています。
この列車にはAlexというブランドが付いています。

かつてAlexには列車名が付いていた。
「フランツ・カフカ」はプラハ出身の作家。
2015年10月

実質的な位置づけは、国際長距離列車「ユーロシティ(EC)」とほぼ同じだと思って良いでしょう。
実際に「EC」と表記されていることもあります。
Alexの車両は専用の塗装が施されていて、一応独自性は主張しています。

Alexは2時間毎に1日7往復が設定されています。
ミュンヘン・プラハ間の所要時間は約5時間半です。
所要時間はやや長いですが運転本数は多く、ほぼパターンダイヤ(同じ駅を一定間隔で同じ分に出発する)が組まれているので利用しやすいです。

プルゼニュ・ニュルンベルクにも応用可能

プルゼニュ市街

Alexが経由する都市で最も観光客にとって重要なのが、チェコのプルゼニュ(Plzen:ドイツ語ではピルゼン)でしょう。
大聖堂やシナゴークなどの見所があり、ドイツ語の名前が示す通り、この街はピルスナービール発祥の地なのです。
チェコに行けばどこでも”pilsner urquell”のブランドを目にするはずです。
ちなみに「ピルスナービール」とは、我々にとって一番馴染みのある黄金色の透明なタイプのビールのことです。

ミュンヘン・プルゼニュ間の所要時間は約4時間なので、ここで途中下車するのもおすすめです。
またプルゼニュ・プラハ間のように、チェコ国内のみでAlexを利用することも可能(チェコ国内では急行列車扱い)です。

ピルスナーウルケルの醸造所

一方のドイツ側でもミュンヘンではなく、バイエルン州第二の都市ニュルンベルクからプラハに行く場合でもAlxeを利用することができます。
ニュルンベルクとプラハを直通する列車はありませんが、ニュルンベルクからSchwandorfシュヴァンドルフまで快速列車で行き、そこで接続するプラハ行きAlexに乗ることができます。
この場合のトータルの所要時間は5時間弱となります。

神聖ローマ帝国の皇帝都市として栄えたニュルンベルクは、歴史・音楽・グルメ・鉄道いずれかに興味がある人にとっては是非訪れるべき街です。
ミュンヘンからも列車で1時間~1時間半でアクセスできます。

城から見渡すニュルンベルクの中世の街並み。
ワーグナーの楽劇が聞こえてきそうだ…
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Alexの車内とサービス

この列車はAlexの車両とチェコ国鉄の車両による混合編成です。
グレーの車体がAlex車両、青い車体がチェコ国鉄車両です。

二等車の車内と座席

Alexの二等車には、オープンサロンタイプとコンパートメントタイプの二種類があります。

ミュンヘン・プラハ間のAlexの二等車の車内
二等車の車内

オープンサロンタイプの二等車は一般的なチェコ国鉄車両のものです。
向かい合わせになった4人用座席が大半で、コンセントが付いています。

ミュンヘン・プラハ間のAlexの二等車の座席

二等車にはAlex車両のコンパートメントタイプの車両もあります。

ミュンヘン・プラハ間のAlexの二等車の車内

片側が通路で、もう一方が3列6人用のコンパートメントになっています。
他人と相部屋になるのが苦痛に感じる人もいるかもしれませんが、座席そのものはコンパートメントタイプの方がゆったりしています。
こちらにもコンセントが付いています。

一等車の車内と座席

一等車はAlex車両のコンパートメントタイプのみです。

ミュンヘン・プラハ間のAlexの一等車の車内

二等車と同じようなコンパートメントです。
ご覧の通り、座席に”1.klasse”と書いていなければほとんど二等車と区別がつきません。
混雑を避けるのでなければ、二等車で十分だと思います。

ワゴン車内販売あり。区間限定?

Alexには食堂車等の設備はありません。
チェコの領域ではワゴンによる車内販売を行っています。
メニューは軽食や飲み物程度しかありませんが、もちろんビールはあります。

ドイツ領内でも車販準備室のような一画で車内販売が行われるらしいですが、私が乗車した時は営業していませんでした。

ここで車内販売が行われるはずだが…
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Alexの乗車記

車両の行き先に注意

南ドイツの主要都市ミュンヘンは堅牢ながら華麗な市庁舎のほか、カトリック教会や王宮などの見所が多く、「バイエルンの首都」と表現した方がずっとしっくりきます。
そしてミュンヘンの魅力としてはビールを忘れてはなりません。
また自動車やハイテク産業も盛んで、いかにもドイツ的な都市です。

ミュンヘンの新市庁舎とフラウエン教会
2022年10月

さて、ミュンヘン中央駅(Muenchen Hbf)に到着したばかりのプラハ行きAlexに乗車します。
ここで注意すべきは、編成の一部がプラハではなくドイツ国内のHofホーフ行きになっている点です。
プラハ行きは長距離用車両なのに対して、ホーフ行きは近郊用で二階建て車両まで含まれています。
とにかく、扉に書いてある行き先をよく見て乗りましょう。

プラハ行きの長距離列車用車両
ドイツ国内のHof行きの車両もある

ミュンヘン中央駅を発車

8時43分にミュンヘン中央駅を出発。
私は二等車のコンパートメントに乗車しました。
各部屋に4人程度が乗っています。
同室になったのは両親と高校生くらいの青年の家族3人でした。

大都市ミュンヘンの市街地もすぐに尽きて、広々とした畑が広まります。

青年と父親がは仲が良く、イヤホンを片方ずつに付けて音楽を聴いています。
その傍らで、母親は列車の遅れを気にして接続便を調べているようです。

1時間半ほどでレーゲンスブルク(Regensburg)駅に到着。
比較的大きな街のようで、乗客が多数入れ替わりました。
3人家族に代わって我がコンパートメントに来たのは、金髪碧眼でゲルマン風な若者たち。
ヒトラーが好みそうな、長身で筋骨たくましい男性とふくよかな体形をした女性でした。
さらにもう一人アジア系の女性もいました。

営業しているはずの売店がやっていなかったので、ミュンヘンで買ったビールを飲みます。
列車はひたすら緑色の森の中を走ります。

シュヴァンドルフ(Schwandorf)駅でしばらく停車時間がありました。
街自体はあまり大きくないものの、広大な駅構内に貨車が並んでいる様子を見ると鉄道の街だと思われます。
ニュルンベルクからの列車もここでAlexに接続しています。

国境通過もパスポートコントロールは無し

いよいよドイツ・チェコ国境に差し掛かります。
この辺りが一番車窓が綺麗でした。
日本の山間部の県境のようにトンネルで抜けるのではなく、原野を開拓した高原のような風景です。
森に囲まれた耕作地に集落や池が点在しています。
ドイツもチェコもシェンゲン協定加盟国なので、パスポートコントロールはありません。

チェコに入ってしばらくすると、「警察の介入のため途中区間はバス代行になる」旨のアナウンスがありました。
一体何があったのか気になりますが、何気ないVejprniceという駅からプルゼニュまでバスに乗り換えです。
既にバスが5台ほどスタンバイしていたことから、突発的な事件ではなさそうです。

ぎゅうぎゅう詰めのバスに揺られてプルゼニュ中央駅(Plzen hlavni)に到着。
独特の丸い形をした駅舎の屋根は改修中でした。

プルゼニュの駅舎
2015年10月

ワゴン販売でピルスナーウルケルを購入

プルゼニュ中央駅ではミュンヘン発と同じタイプの編成が待っていました。
今度乗車したコンパートメントは貸し切りです。
オープンサロン車両は若者で混雑しています。

予定より30分程度遅れてプルゼニュを出発。
やがてチェコ人車掌がワゴン販売の案内を英語でも行います。
イレギュラーな運用にもかかわらず一部区間だけでもワゴン販売を行い、遅れも30分にとどめているあたりは、チェコ国鉄のサービスレベルの高さを感じます。

首を長くして待つこと10分。
通りかかった販売員に「ビール」と声を掛けます。
すると「ピルスナーウルケルかブトヴァルか?」
と聞かれたのでピルスナーウルケルを注文。
プルゼニュまで来てこれを飲まないわけにはいきません。

ちなみにブドヴァルも非常に有名なチェコビールです。
小さなワゴン販売とはいえ、チェコの二大ビールを揃えているのは流石です。
山陽新幹線の車内販売でも「お酒は白鶴か獺祭どちらにしますか?」と聞かれたいものですが、それ以前にサービス自体がいつまで継続されるかの方が気になります。

さて、プルゼニュからの車窓もよく、川沿いを走ります。
川幅は次第に狭くなっていきます。

終着駅に着く前にプラハ・スミーホフ駅(Praha Smichov)に停車します。
そして、最後の最後にクライマックスが待っています。
市内を流れるモルダウ川を堂々と渡る列車からは、左手遠方にプラハ城を望みます。
スメタナの名曲「モルダウ」に匹敵するくらい感動的なフィナーレです。

「予定通り」30分遅れでプラハ本駅(Praha hlavni)に着きました。
ミュンヘンから来ると、改めてチェコは街並みにせよ食文化にせよ、ドイツ文化の影響が色濃いなと感じます。

プラハの旧市街広場
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予約方法と費用

Alexの予約はチェコ国鉄のサイトから行うことができます。
以下、そのやり方を写真付きで解説します。

Alexはチェコ国鉄のサイトではユーロシティと表記される

トップページにアクセスしたら、発着地(都市名でも可能)・日付・時間帯を入力します。
ミュンヘンはドイツ語表記だとMuenchen、英語ではMunichです。
以降、黄緑色のボタンを押下して先に進んでいきます。

列車選択画面です。
乗り継ぎのあるパターンも出てきますが、直通の列車を選びましょう。
チェコ国鉄のサイトでは列車種別がAlexではなくEC(ユーロシティ)となっています。
画面右上の赤丸で囲った部分で二等車・一等車の選択ができます。

二等車の割引チケットがおすすめ

列車を決めると幾つかのチケットが提示されます。
同じ二等車でも上のFirst Minuteは柔軟性が低い代わりに割引が効いたチケットです。
613CZK(チェココルナ)は約25€です。

1480CZKのチケットは割高な分、乗る列車が限定されず前日まで返金・変更可能になっています。
なお、上の写真のケースでは一等車にはFirst Minuteの設定がなく、二等車との料金差は4倍程度にもなります。
仮に一等車のFirst Minuteがあっても、車内の章で述べた通りアコモ格差が小さいので、二等車で良いと私は思います。

その後確認画面を経て、名前・メールアドレスを入力してクレジットカード(Payment card)で支払いです。
なお、大抵の場合国際列車でも座席指定ができますが、Alexに関してはチェコ国鉄のサイトではできないようです。

決済成功するとチケットが添付されたメールが届きます。
印刷するかスマホに保存して完了です。
お疲れ様でした。

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ビールの聖地を巡礼する列車

ミュンヘン・プルゼニュ・プラハ…
貴方がビール好きならどれも憧れの地でしょう。
バイエルンとボヘミアを結ぶAlexは、ビールの聖地を繋ぐ列車でもあります。

それだけに供食サービスがチェコ側のワゴン販売のみ(ドイツ側でも何かしらあるはずだが)というのは残念です。
運転本数を増やしてダイヤを充実させたAlexは、今度は沿線ビール飲み比べができるビュフェが連結されたら良いなと酒飲みとしては思います。

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