自然が豊かな車窓、ラトビアの首都リガから古都ツェーシスへ鉄道に乗る

ヨーロッパ鉄道

ラトビアの首都リガから北東へおよそ100㎞弱。
ツェーシス(Cesis)は人口2万人足らずの小さな田舎町でありながら、中世の城跡と素朴な街並みが美しい地方都市である。
リガからの日帰りだけでなく、鉄道でエストニアのタルトゥやタリンに行く途中に立ち寄ることもできるお勧めの訪問先

2025年9月上旬、リガから鉄道でツェーシスを目指した。

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リガ~ツェーシスの所要時間は1時間半~2時間

リガ~ツェーシス間の列車は1日7往復運行されている。
運転間隔は一定ではなく、リガ発の方向は夕方・夜に、リガ着の方向では朝・午前の時間帯に偏っている。
所要時間も列車によってバラツキがあり、早い便で1時間20分程度、遅い便だと2時間程度かかる。

車両はヴィリニュス(リトアニア)発の国際列車を除いて、ソ連時代のレトロなディーゼルカーが使われている。
快適とは言い難いが、一応は中長距離乗車向けにトイレや座席の背面テーブルが備わっている。

1日1往復の国際列車はリトアニアの新型ディーゼルカーで運転されている。
乗り心地はこちらの方が格段に良く、車内販売も利用することができる。

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チケットの購入はネットか駅の窓口で

ラトビアの列車のチケットは、ネット経由か駅の窓口で購入することができる。
ここではネット購入の方法を説明しよう。

まずはラトビア国鉄のサイト(Vivi)にアクセスして列車検索画面へ。

リガ発ツェーシス行きの列車検索画面

線路マークの横の数字は出発駅(ここではリガ駅)のホーム番号だ。
上の写真を見て分かる通り、国際列車を除いて運賃は速い遅いにかかわらず定額である。
ラトビア国鉄の予約は10日前からできるが、いつ購入しても値段は変わらない。

予約する際に気を付けるのが荷物だ。
大きさが60×40×20、重さが20㎏を越える場合は追加料金が必要となる。
機内持ち込みと同じサイズなので、日本人旅行者はこれに収まらないことが多いだろう。
もっとも、サイズや重量を車掌が厳しくチェックしている様子は全くなかった。

荷物料金は区間によって異なる
リガ~ツェーシス間はもっと安い

国際列車はヴィリニュス~リガ間の便と同じ列車である。
この列車はリガまでは全席指定席制だが、リガ以北は座席の指定は行われないので空いている席に座ろう。
ちなみに私はツェーシス~ヴァルガ間で、2等車のチケットで1等車に乗車してみたが、車掌から何も言われなかった。
よって、「空いている席」とは1等車も含むと考えてよい。

画面右端のカートのボタンを押して購入し、メールアドレスやクレジットカード情報を入力する。
決済完了するとチケットが添付されたメールが届くので、印刷するかスマホに保存して終了だ。
列車に乗車したら巡回している車掌にQRコードを見せるだけで良い。

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乗車記

9月上旬のラトビアはまだまだ暑かった。
数時間歩き回った後に、18時26分発の列車でリガからツェーシスへ向かう。
ソ連時代の古いディーゼルカーにはエアコンが無く、あちこちで窓が開けられていた。
定刻に首都リガ(Riga)駅を出発。

線路の状態はリガ以南よりも悪く、速度は80㎞/hくらいしか出なかった。
人口密度も下がったのか、駅の数も少なくなったような気がする。
それはともかく、車窓は予想した以上に良かった。
これまでバルト三国の景色というのはずっと森林と耕作地の単調な繰り返しだったが、この列車は湖が点在する高原風な森の中を走った。

途中のスィグルダ(Sigulda)駅で半分以上の客が降りた。
もともと車内は空いていたので、残った乗客は少なかった。
「ラトビアのスイス」とも呼ばれる自然豊かな場所で、駅も森林保養地らしい雰囲気だ。

北国なので日没時間が遅く、ようやく日が傾いてきた。
松林が夕日で赤く日焼けしていた。

ツェーシス(Cesis)は古い工場設備を併設した駅だった。
事前に得ていたツェーシスの牧歌的な雰囲気とは全く異なるので、違う駅で降りてしまったのかと思った。
駅舎はクラシックな建物で立派なものだったが、隅に小さな売店があるだけでがらんとしている。
なお、駅およびその周辺には荷物預かり施設やコインロッカーがなかった。
そのためリガからエストニアへ行く途中にツェーシスに寄る場合、ホテルに宿泊しなければ荷物の扱いで苦労するので注意しよう。

やや寂れた感じはするが静かで良い街だ。
ホテルに荷物を置いて、暮れなずむツェーシスを散策しに行こう。




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