廃止目前のか弱き本線、留萌本線に乗る【増毛駅へのバス移動含む】

ローカル線
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深川・留萌間を結ぶ留萌本線。
今や1両か2両の短いディーゼルカーが往復するのみ(1本だけ旭川からの列車がある)で、廃止する方向で沿線自治体とJR北海道が議論を進めているといわれています。

以前は終着駅は増毛駅でしたが、2016年に留萌・増毛間が廃止され今に至っています。
残る深川・留萌間も、2020年度をめどに廃止される方針がJR北海道によって示されています。

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歴史的に重要な幹線だった

路線距離が短いのに「本線」

ところで、「○○本線」と聞くと、東海道本線や東北本線のように何百キロもの距離を持つ幹線をイメージしませんか?

実際に留萌本線はというと、深川・留萌間はわずか50キロ。すでに廃止された区間を含めても、70キロに満たない距離です。

にもかかわらず、この路線が「本線」を名乗っているのは、それだけ重要な役割が期待されていたからに他なりません。

なお、距離が短く現在では事実上ローカル線であるにもかかわらず、「本線」である路線として筑豊本線が挙げられます。

過去と現在の時刻表から読み取る、留萌本線の華やかな時代

上の写真は1967年10月号の路線図です。
今や廃止されゆく終着駅の留萌駅ですが、昭和40年代には交通の要衝であったことが分かります。

1967年10月号の交通公社の時刻表より

羽幌線からの優等列車が、留萌線を通って札幌・旭川といった道央の中心都市へ向かっていく運転系統が窺えます。
また羽幌線沿線は昭和中期、石炭の産地でもあったため、貨物列車も多く走っていたそうです。

つまり留萌本線は旅客輸送のみならず、増毛や羽幌線沿岸のニシンや石炭・木材といった資源を北海道の経済の中心に運ぶ、重要な幹線だったわけです

人口減・道路の整備・資源の枯渇で衰退

そんな留萌本線も、社会情勢の変化によって衰退の道を歩みます

エネルギー政策の転換により石炭産業は振るわなくなり、水産資源のニシンも全盛期ほどの収穫量はなくなります。
また道路整備や沿線人口の減少も、利用客減の要因です。

留萌本線の輸送密度の推移
出典 JR北海道のホームページより

上のグラフは留萌本線の輸送密度の推移です。
なお輸送密度とは、1日1キロあたりの輸送量の平均、平たく表現すれば、「その路線がどれくらい利用されているか」だと思ってください。
昭和50年と比較して10分の1以下、国鉄民営化の昭和62年からも3分の1程度の数字という厳しい数字です。

また留萌本線に限らず北海道の鉄道は、過酷な気候故に保守点検費用が、他の地域と比べて大きいことも忘れてはいけません。

ここ最近5,6年前になってようやく、危機的なJR北海道の経営状態が報じられていますが、そもそも現状は異常事態でもなんでもなく、JR北海道にとっては、運命であり宿命であったと言わざるを得ません

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深川から留萌までの乗車記 その後バスで増毛へ

現区間の車窓には特筆することはないが、途中駅が魅力的

留萌本線のキハ54
留萌本線のキハ54

留萌本線は距離の短い路線であり、とりわけ車窓が綺麗な区間はありません。途中峠越えをするといっても、急勾配でもないので、あまり実感することもないでしょう。
使われているのは古い車両ですが、昔は急行としても運用されていたものなので、車内は快適です。ただ改造したためか、窓と座席の位置があっていません。

簡易リクライニングシートが並ぶ、キハ54の車内
簡易リクライニングシートの車内

なお、途中の「恵比島」駅は、テレビドラマ「すずらん」のロケ地として有名です。それ以外にもなかなか風情のある駅があり、むしろそちらが見どころといえるかもしれません。

明日萌駅こと恵比島駅
明日萌駅こと恵比島駅

日本海が迫る、代行バスで留萌から増毛へ

留萌駅の駅舎
国鉄らしい駅舎
レトロファンにとっては確かに「萌える」
留萌駅のホーム
駅のホーム

留萌駅は今では廃止予定の終着駅ですが、かつてはジャンクションであったことは、すでに述べました。
今でもその名残はやや残っています。広い構内は、かつてこの駅に多くの旅客列車や貨物列車が停車していたことを我々に想像させます。
栄枯盛衰という言葉がしっくりくる佇まいです。

留萌駅の構内と跨線橋
跨線橋と広い構内

ちなみに留萌駅には、ストイックな列車旅には欠かせない、立食いの駅そばがあります。そこの「にしんそば」を食べながら、留萌の歴史に思いを馳せるのも良いでしょう。

さて、留萌からはバスで増毛までの廃止区間を行きます。

廃止区間は車窓の良さで知られており、バスも荒々しい日本海沿いを走ります。景色の良い路線・区間は真っ先に廃止されてしまう、というお約束通りです。
ときどき廃線跡も恥ずかしそうに道路横に現れます。

旧増毛駅到着。今も残る商人の館が、かつての繁栄を伝える

増毛駅
廃止後に増築された駅
増毛駅の内部
復元されたかつての駅内部

旧増毛駅は保存されている、いやそれどころか、廃止後に増築して、かつての姿を取り戻した駅です。
こういった取り組みは本当にうれしいですね。そしてインスタントコーヒーが自由に飲めます。

初めて冬(2018年12月上旬です)に北海道に来て、気温は零下5度、それも海から強い風が吹きつけ、体感気温はもっと低い状況でしたから、それはそれはありがたいものでした。感謝と応援の気持ちを込めて、売店で鮭とばを買いました。

増毛駅にはかつての繁栄を今に伝える立派な商人の屋敷が点在しています。
中を伺うことのできた酒蔵は、まるで郷土博物館のような雰囲気でした。他にも見学できる施設もあるようですが、残念ながら私が訪れた冬季には営業していませんでした。

増毛市内
増毛市内の建物
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鉄道は歴史を物語る

鉄道の旅の魅力は、かっこいい車両に乗る、綺麗な風景を見ることだけではありません。

路線の歴史や沿線文化を知ることで、あなたの鉄道旅行はより学びの多い、有意義なものになるでしょう。
廃止になって後悔する前に、留萌本線に乗車されてはいかがですか?

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