【昔の道北の十字路】名寄駅散策と名寄本線跡にある「キマロキ編成」を見学する

北海道の駅
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名寄駅は特急列車も停車する宗谷本線の途中駅です。
現在では宗谷本線だけが発着する駅ですが、かつては鉄道の十字路でした。

また名寄駅から10分程度歩いたところにある、名寄市北国博物館の近くの名寄本線の線路跡には、排雪列車「キマロキ編成」が静態保存されています。

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名寄駅を見学する

貨物駅もある駅構内

1967年10月号交通公社の時刻表の路線図。
名寄駅は文字通り鉄道の十字路だった。

かつては名寄駅からは名寄本線と深名線が分岐していました。
鉄道の要衝らしく駅構内は広々としています。
名寄本線は1989年に、深名線も1995年に廃止され、それぞれ代替バスが運行されています。

宗谷本線だけの駅となってしましたが、特急停車駅で駅周辺にはホテルもそこそこあるので、拠点としても利用価値が高いです。

名寄駅全景
名寄駅全景。
左側のホームの駅舎寄りには深名線の列車が発着する0番乗り場があった。
名寄駅構内の宗谷本線と名寄本線の線路跡。
駅の旭川寄りの線路。
右は宗谷本線、左は名寄本線の線路跡。
左奥に見える車掌車については後述。

駅舎の反対側には昔機関区が置かれていたため、空きスペースが寂しげに広がっています。
この辺りには扇形機関庫があったそうですが、円形のスペースは転車台の跡地でしょうか。

名寄駅の機関区跡
かつては機関区があった場所

また、名寄駅には貨物駅(オフレールステーション)があります。
貨物列車は運行されていませんが、代替トラックがJR貨物の北旭川駅までコンテナを運んでいます。
オフレールステーションも含めると、貨物駅としては日本最北に位置する駅です。

名寄駅の貨物駅、オフレールステーション。
稚内寄りにコンテナ基地がある

改修された駅舎

昭和2年に建てられた名寄駅の駅舎は、改修済みで綺麗になっていました。
歴史ある建築物ですが、重厚な雰囲気というよりは親しみやすい、愛嬌がある駅舎のように感じられます。

名寄駅の駅舎
昭和初期に建てられた名寄駅の駅舎

ただ残念なことに駅の内部は空きスペースが目立ちます。
地方の駅でよく目にする、一見してそれと分かる売店跡がやはりここにもあります。
かろうじて椅子と自動販売機が設置されていますが、昔はここで駅弁が売られていたのかと思うと実に悲しくなります。

多目的ルームという一画もありますが、特に利用する目的もないためにそのような名前になっているのでしょう。

名寄駅の待合室
待合室。
奥の売店があったスペースは有効活用されていない。
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圧巻のキマロキ編成

名寄駅を見学した際に是非とも訪れたい場所が近くにあります。
駅から線路に沿って旭川駅方面に10分程度歩いた名寄市北国博物館近くに、蒸気機関車などから成る迫力ある車両たちが静態保存されています。
宗谷本線の列車からも良く目立ちます。

名寄公園にあるキマロキ編成
堂々たるキマロキ編成

私は最初これを見た時は、古くて黒くてイカツイ車両を無理やり連結しただけの編成なのかと思いましたが、これは「キマロキ編成」と呼ばれる排雪列車なのです。
「キマロキ」というのは

  • 機関車の「
  • 線路両側の雪をかき集めるマックレー車の「
  • マックレー車が集めた雪を遠くへ飛ばすロータリー車の「
  • 機関車の「

というそれぞれの車両の頭文字から名づけられました。

キマロキ編成についての解説
キマロキ編成についての解説もある

なお後ろの機関車のさらに後ろには、車掌車も連結されています。
また前後の機関車は型式が異なり、前は9600形、後ろはD51形蒸気機関車です。

名寄のキマロキ編成の車掌車
一番後ろにあるのは車掌車
キマロキ編成の先頭の蒸気機関車、9600形
先頭の蒸気機関車、9600形
キマロキ編成の後方の蒸気機関車、D51形
後方の蒸気機関車、D51形

通常は除雪は先頭が逆V字型をしたラッセル車が行いますが、次第に線路両脇に高い雪の壁ができて除雪できなくなってしまいます。
そこで、マックレー車によって雪の壁を崩し、その雪を集めて後ろのロータリー車が遠くに飛ばす、という除雪作業をキマロキ編成が行っていました。

キマロキ編成のマックレー車とロータリー車
手前が雪を崩して集めるマックレー車。
その後ろが雪を飛ばすロータリー車。

現在この編成が見られるのは名寄だけですが、1960年代頃の動力近代化以前では北海道や東北各地で見られたようです。

最後尾の車掌車以外は、それぞれの車両の内部構造を覗くことができます。
ロータリー車は蒸気機関車と同じく後ろに炭水車(水や石炭を積んだ車両)を従えており、構造としてもよく似ていています。

キマロキ編成のロータリー車の内部
ロータリー車の内部。
こちらも蒸気機関を備えている

キマロキ編成が保存されている線路は、実は廃止された名寄本線の線路跡です。
前方は歩道として整備されており、腕木式信号機も立っているので、機関車の運転席に座れば、そのまま走ってくれそうな気分になれます。

キマロキ編成の先頭の機関車の運転席からの眺め
先頭の機関車の運転席からの眺め
名寄本線の廃線跡よりキマロキ編成を望む
名寄本線の廃線跡より

また、ちょうど曲線と勾配部分なので、キマロキ編成の雄姿がより一層際立っています。
カラフルな車両が活躍する以前の、蒸気機関車が煙を吐いていたころのモノトーンの世界が蘇ってくるようです。

キマロキ編成

キマロキ編成見学のために北国博物館に入館する必要はありません。

ただし、10月中旬~4月下旬はシート掛けが行われて車体を見ることができないので要注意です。

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将来日本最北端の駅になる?

時刻表を見れば一目瞭然ですが、宗谷本線は名寄駅を境に輸送量に格差があります。
旭川から名寄までは普通列車の本数もそこそこで快速の運転すらあり、軌道やポイント部分も改良されています。
一方で名寄以北は最高速度は120㎞から95㎞に落ち、普通列車の本数も一気に減ります。

JR北海道は宗谷本線の名寄以北が自社単独で維持困難であるとして、自治体との存続問題の議題として取り上げています。
具体的に廃止の話が出ているわけではありませんが、最悪の場合、名寄駅が日本最北端の駅となる可能性も無くはありません。
かつての道北における鉄道の十字路が、心細い終着駅にならないことを祈るばかりです。

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