ユーロスターのスタンダードプレミアでロンドンからパリへ鉄道移動【予約方法や費用】

ヨーロッパ鉄道

ユーロスターはイギリスのロンドンから、フランスのパリやベルギーのブリュッセルなどへ運行されている高速列車です。
途中、英仏海峡を海底トンネル(ユーロトンネル)で通過します。
後にはオランダのアムステルダムにも足を延ばすようになりました。

2022年10月上旬、私はロンドンからパリまでユーロスターのスタンダードプレミアクラス(1等車)に乗車しました。
本記事では予約の仕方や、乗車する時の注意点などを解説していきます。

(追記)2023年10月にタリスとユーロスターは合併し、新たに「ユーロスター」としてのブランドに生まれ変わりました。
ブランドロゴは変わりましたが、相変わらず黄色と青の車両で運転されています。

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最高速度は300㎞、ロンドン・パリの所要時間は約2時間15分。

ユーロスターの最高速度は300㎞です。
ロンドンからパリまでのおよその所要時間は2時間15分、ブリュッセルへは2時間、アムステルダムは4時間~4時間40分です。
時刻表を見る時はイギリスと大陸側で1時間の時差がある(イギリスの方が遅い)点に留意してください。

開業当初は最高速度で走るのは大陸側のみでしたが、現在ではイギリスでも高速鉄道が整備されて所要時間も短縮されました。
なお、日本と違って大半のヨーロッパ各国では(日本でいう)新幹線と在来線の線路幅が同じなので、直通運転をしたり駅も共用することができます。

ユーロスターの旧ロゴ

イギリスとヨーロッパ大陸を結ぶユーロスターが運行開始したのは、英仏海峡に海底トンネルが開業した1994年です。
欧州共同体(EC)が今の欧州連合(EU)になった翌年のことでした。
ベルリンの壁崩壊からあまり時間が経っていなかった当時、イギリスとフランスの両首都を直通する高速鉄道によって、さらに確固たるヨーロッパの統一が演出されました。

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ユーロスターの車内や座席・サービス

ユーロスターには今回私が乗車したフランスのTGVベースの古い編成(下の写真左)と、ドイツのICEベースの新しい編成(右)の2種類があります。

古い方もリニューアルされており、車内についてはほぼ同じという認識で良いと思います。

手前が新型、奥が旧型

スタンダードクラス(2等車)の車内

ユーロスターのスタンダードクラスの車内
スタンダードの車内

最も一般的なスタンダード車両、つまり2等車は2&2の座席配置です。
ユーロスターに限らず、ヨーロッパの鉄道では座席は僅かしかリクライニングしません。
2時間15分の乗車時間であればこれでも十分と言えるでしょうし、Wi-Fiと各座席の充電用コンセント(後述)も完備しています。

スタンダードプレミア・ビジネスプレミア(1等車)の車内

ユーロスターのスタンダードプレミア・ビジネスプレミアの車内
スタンダードプレミア・ビジネスプレミアの車内

1等車に当たるスタンダードプレミアビジネスプレミアはより大型の3列座席、床も赤で高級感があります。
両者の違いは予約方法の章で詳しく説明しますが、車両・座席は同じでも車内サービスが異なります。
日本のグリーン車と異なり、1等車でもユーロスターは混雑するので、一人旅の場合は一人掛け座席は重宝します。

ユーロスターのスタンダードプレミア・ビジネスプレミアの座席
スタンダードプレミア・ビジネスプレミアの座席

ビュッフェ車両あり

ユーロスターの軽食堂車

新旧どちらの編成にも立ち席タイプの軽食堂車があり、飲み物や軽食を買うことができます。
1等車では食事サービスがあり乗車時間も短いので訪れる必要はありませんが、2等相当のスタンダードクラスの乗客にとっては利用価値があります。
内装はなかなかモダンです。

充電コンセントは2種類ある

左側がイギリスタイプ、右側が大陸タイプ

さて、ひじ掛け下にある充電コンセントについてですが、イギリスと大陸とでタイプが異なります。
そのためユーロスターにも2種類の差込口があり、自分の座席はどちらか一方になります。
日本人の我々は変換プラグを持って来ていると思いますが、両方のタイプを手荷物に用意しておきましょう。
なお、隣り合う座席ではそれぞれ別のタイプになっています。

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【乗車記】大混雑の出入国審査

ロンドンの駅はSt Pancras駅。チェックイン時間に要注意!

ロンドンには沢山のターミナル駅がありますが、ユーロスターが発着するのはセントパンクラス(St pancras)駅です。
乗車時に注意すべき点は、出入国審査や荷物検査があるためチェックイン時間が早いという点です。
駅にもよりますが、出発時間の30~45分前にチェックインを済ませる必要があります。

壮麗なロンドンのSt Pancras駅

しかし2022年10月現在、ブレグジット(イギリスのEU脱退)やコロナに伴う人員整理とその後の需要急回復のため、手続きに非常に時間がかかっています。
私の場合、予約時に届いたメールには「出発の90分前に駅に着くことを勧める」旨の記載がありました。
さすがに大袈裟だろうと思って75分前に乗り場に着いたのですが、驚くことに既に列が数百メートルできていました。
30分前のチェックインは間に合わず、パスポートにスタンプが押されたのは発車10分前、そして先に進んで待合所に行くと一つ前の1時間前の便がまだ出発していない、という有様でした。
ようやく乗車した後も「折り返し列車に乗って来るトレインマネージャーが到着していない」とのことで、しばし待機。
結局ロンドン発は40分遅れでした。

St Pancras駅から古いタイプの編成に乗車。
この時は慌ただしすぎて、どちらの車両かは分からなかった。

スタンダードプレミアの食事サービス

私が今回乗ったのは13時半頃にロンドンを出発する列車で、1等車のStandard Premierクラスです。
列車は完全に満席とのことで、荷物を置く場所の確保にも一苦労でした。
待ちかねた割にはロンドンをゆったりと出発してまもなく、軽食のサービスが始まりました。
冷たいチキンの惣菜にアルコール、食後にはコーヒー・紅茶も付いており、イギリスの食事に食傷気味だった私にはとても洗練された料理です。
食事の内容は時間帯によって異なります。
長時間待たされてぐったりしていた乗客たちも、食事とクルーのサービスには満足しているようでした。

ユーロスタースタンダードプレミアの食事

イギリスの落ち着いた自然と住宅を眺めているうちに電気設備が現れると、いよいよお待ちかねの英仏海峡ユーロトンネルです。

海底トンネルを走っている間、私はずっと外の景色を見ていました。
もちろん何も見えませんが、大英帝国の天然の要塞として幾度も歴史や戦いの舞台となった英仏海峡の下を、高速列車でくつろぎながら通っているのだと思うと感無量です。
そして、しばしの暗闇の後、今までとは別の大陸を走るのはなんと面白いことでしょう。
内田百閒・宮脇俊三といった偉大なる鉄道作家たちも、トンネル通過が大好きでした。

ドーバー海峡秋景色を心ゆくまで堪能し、フランスに上陸しました。
左手に大掛かりな三角系の分岐線が展開しています。
ブリュッセル方面行きのユーロスターはここで左手に折れていくのでしょう。

フランスに来てまず感心するのは農地の広さです。
さすがはヨーロッパ一の農業国だけあります。

パリの街並みが見えてくると、到着を知らせる車内放送がフランス語を先にして始まりました。
発音の流暢さからして車掌はフランス人と思われますが、あの独特の芝居がかっているようにさえ聞こえる放送を聞けば、車内でも気分はすっかりフランスです。

パリの駅はGare du Nord駅

出発時と同じ40分遅れでパリ北駅(Gare du Nord)に到着しました。
その名の通り、フランス国内の北部リール行きのTGVや、ブリュッセル方面行の国際列車旧タリスも発着する駅です。

パリ北駅周辺は治安が悪いという評判ありますが、行き止まり式の駅の正面側は人も多く、特に危険な香りはしませんでした。

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予約方法と費用

一等車のStandard PremierとBisiness Premierとの違いに注意

ユーロスターの予約は公式サイトから行うことができます。
だいたいの行き先はプルダウンから選択できるので、都市名の綴りやロンドンの何駅だったか分からなくても大丈夫です。

新ユーロスターの画面
1カ月前の予約を照会

改めて、1等車にはStandard PremierとBisiness Premierの2種類の予約クラスが有るという点に注意しましょう。
Standardは2等、Standard Premierは紛らわしいですが1等です。

1等のうち安い方のStandard Premierは軽い食事とワイン・コーヒーといった飲み物(Standardにはこれも無し)ですが、Bisiness Premierには本格的なホットミールやシャンパンが提供されます。
またチェックイン時間が短縮(30分前→10分前)され、ロンドンやパリの駅でラウンジが利用できるのもBisiness Premierだけです。

各クラスのサービスをまとめると

  • Standard→2等車。変更は7日前まで無料、それ以降は手数料要。キャンセル不可。
  • Standard Premier→1等車。変更は7日前まで無料、それ以降は手数料要。キャンセル不可。軽食・ドリンクサービス付き
  • Bisiness Premier→1等車。変更・キャンセル無料。本格的な食事とシャンパン付き。チェックイン時間を短縮できる。駅のラウンジも利用可能。

となります。

予約に当たって会員登録は必要ありません。
下の方にあるCheck out as a guestを押して進みます。

次に名前・連絡先・クレジットカード情報・住所を入力します。
FirstName=下の名前、LastName=苗字です。
電話番号は必須ではありませんが、CountryCodeからJapan(+81)を選択して、その横に最初の0を除いた番号を入力します。

私の場合、Address line 1に町名以下、Town / cityに東京都○○市の部分を入れました。
Postcodeは郵便番号です。

なお、クレジットカードでエラーになる時が海外サイトで時々ありますが、PayPalを使うと決済できました。
決済後に予約確認メールが送られてきたのですが、後でメールからチケットのリンクにアクセスしようとするとまさかのエラーが出ました。
Eurostarのアプリをダウンロードして、予約番号と苗字を入力すると無事eチケットを手に入れられました。

チケットの値段は高め。最安Standardでも60€くらいから

予約時の料金表からも分かる通り、Bisiness Premierは固定されていて割引が効きません。
ロンドン~パリでは370€以上で、日本円換算すると5万円を優に超えます。(2023年10月)
東京~新函館北斗のグランクラス利用よりもはるかに高いです。
円安とインフレ恐ろしさを、なぜ日銀は理解できないのでしょうか?

一方StandardとStandard Premierは、航空運賃のように需給に合わせて列車ごとに変動します。
およその最安料金はStandardが60€、Standard Premierは130€くらいで、他のヨーロッパの高速列車と比較しても高めの印象を受けます。
両者で倍の開きがある便もあれば、10€ちょっとしか変わらない便もあります。
至れり尽くせりのサービスは不要だが1等車に乗りたい人には、Standard Premierがおすすめです。

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イギリスと大陸ヨーロッパを下支えする列車

2020年、正式にブレグジットが実現し、ユーロスターもその影響を受けました。
ヨーロッパの一員でありながら、歴史上常に一定の距離を保ってきた島国イギリスにとって、ユーロスターは対欧州関係そのものです。

外交・内政共に不安定なイギリスですが、大陸ヨーロッパ諸国との強力なパイプ役としてこれからも発展して欲しいものです。

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