ウクライナの高速列車、インターシティ+でキエフからリヴィヴへ【予約方法・費用など】

ヨーロッパ鉄道
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広い国土を有し、長距離列車や国際列車も数多いウクライナの鉄道は、機関車索引による国旗と同じ色をした客車での旅となることが多いです。
しかし、ウクライナにも最高速度160㎞で走るスマートな電車特急「インターシティ+」が運行されています。

私はウクライナに何度か行っており、インターシティ+にも2回(2等車と1等車1回ずつ)乗ったことがあります。

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インターシティ+について

近代的な電車特急

ウクライナを含めロシアなど旧ソ連諸国の長距離列車は、昼も夜も使えるように設計された客車が主力です。
昼間走る列車は昔のブルートレインのB寝台のように下段ベッドを座席として使用し、必然的にボックスシートのような車内になります。

九州鉄道記念館のブルートレインのB寝台。
イメージとしてはこれに近い。

一方今回紹介するインターシティ+は、新幹線と同じようなオープンサロンのリクライニングシートです。
また、最高速度は国内最速の160㎞なので、他の客車列車と比較して所要時間はかなり短くなっています。

首都キエフを中心にリヴィヴ・ハリコフ・オデッサなどの主要都市へ運行されています。
日本人旅行者が最も利用する可能性が高いのはキエフ~リヴィヴ間でしょう。
同区間の所要時間はおよそ5時間です。

韓国企業が製造した

この車両は国産ではなく、韓国の現代ロテムによって製造されました。
ところでウクライナの鉄道について検索すると、この車両の初期故障についての記事が散見されます。

新幹線の話ならともかく、なぜ(美人のイメージくらいしかない)ウクライナの車両トラブルの話がこんなにも?と思いますが、お察しの通り「韓国企業が外国向けに造った車両に欠陥があって、ウクライナ国民に迷惑をかけた」ということで盛り上がっているのです。(ついでに日本の新幹線を讃えるのが定番の流れ)

確かに初期故障の影響で運行停止していた時期もありますが、現在では車両がらみのトラブルは解消されているらしく、時刻表通りに運行されています。

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乗車記

2015年10月に首都キエフから中欧の香り漂う西部の都市リヴィヴまでインターシティ+の1等車に乗車しました。
また、その2年後の2017年にも東部の工業都市ハリコフまで利用しましたが、特に変わった点はありませんでした。

キエフ旅客駅を出発

キエフ駅内部
壮麗なキエフ駅

長距離列車が発着するキエフ旅客駅は首都の駅に相応しく、大きくて立派なつくりです。
ターミナル駅というのは旅情という点では申し分ないのですが、やはり治安が気になるところです。
観光スポットならまだしも、ウクライナの駅にいれば東洋人は目立ちますし、用事もなくウロウロして駅員や迷彩服を着た警官か軍人(街中に結構いる)に不審者扱いされるのも避けたいものです。

そこで活用したいのが駅にある有料の待合室です。
ゆったりとしたソファが並んでいて、安全に過ごすことができます。
また充電ができてWi-Fiの利用も可能で、飲み物を買うこともできます。
トイレに行くときも、入場券のレシートを見せれば再入場できたと思います。

キエフ駅の有料待合室
キエフ駅の有料待合室

1等車に乗車

周りの格式のある客車と比べるとスマートな銀色の車体の電車がインターシティ+です。

ウクライナ鉄道の韓国製インターシティ+
銀色のスマートな車体

1等車の車内は2+2列の座席が並んでいます。
また2等車は2+3列ですが、ウクライナの鉄道は軌間が西ヨーロッパや日本の新幹線よりも広いので、それほど狭いわけではありません。
ただし2等車で混雑している時に3人掛けの座席に当たると、物理的な寸法はともかく、やはり窮屈感がなくもありません。
後で説明する通り、予約の際に席が選べるので2人掛けの方が良いと思います。

ウクライナ鉄道のインターシティ+の2等車の車内
5列シートの2等車
ウクライナ鉄道のインターシティ+の1等車の車内
4列シートの1等車

車内には何カ所かにモニターがあり、気温や走行速度などが分かります。
ウクライナの鉄道では珍しくトイレも綺麗で、Wi-Fiも利用できたと思います。
また、車内放送は英語でも行われていました。

ハリコフ~キエフ~リヴィヴはウクライナ鉄道の幹線で、他の旧ソ連の国と同様に線路の状態は良いので、乗り心地も安定していました。

ビュッフェカウンターがある

ウクライナ鉄道のインターシティ+のビュッフェカウンター
ビュッフェカウンター

この列車には飲み物や軽食が購入できるビュッフェがあります。
リヴィヴまで5時間と結構長時間の乗車ですから、気分転換に利用すると良いでしょう。

また1等車の利用客は、ここで機内食のようなランチボックスを無料で貰えます。
なお、この時に何か飲み物も欲しいと伝えると、不思議な味・香りのするドライフルーツドリンクを付けてくれました。

車窓は単調

ウクライナの鉄道旅行全般に言えることですが、車窓は広々とした景観で最初は嬉しくなるのですが、いつまでもそんな調子なので次第に飽きてきます。

ところで車窓からも見える黒い色をした畑は、学校の地理でも習った肥沃な大地「チェルノーゼム」です。
しかし、その恵まれた土地に点在しているのは、哀れにも朽ちた生産設備です。

外国資本を導入しようにも、ロシアには頼りたくない、EUに加盟したくても諸基準に満たないという、この国の難しい立場を考えると簡単ではなさそうです。
広い国土、安い人件費、肥沃な土壌。
これだけ条件が揃えば、ヨーロッパ屈指の穀物輸出国になってもよさそうですが、ウクライナの農業がそのポテンシャルを発揮するのはいつになるのでしょうか。

ウクライナのチェルノーゼム
穀倉地帯ウクライナのチェルノーゼム
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予約方法と費用

ウクライナ鉄道のホームページで予約できる

ウクライナ国鉄のサイトから予約・購入することができます。
そのやり方を写真付きで解説します。

まず、ウクライナ鉄道の予約ページにアクセスします。
出発駅と到着駅そして日時を入力して、その下の検索ボタンを押します。
なお首都のキエフには複数の綴りがありますが、ここでは「kyiv」です。

ウクライナ鉄道の予約方法

するとその下に候補となる列車のリストが表示されます。
各列車が連結している設備と空席数も分かるようになっていて、インターシティ+のような座席車の場合はS1が1等車、S2が2等です。
また昔ながらの夜行列車も兼ねた客車の場合だと、Lが1等寝台車(2人用個室)、Cが2等寝台車(4人用個室)、Bは開放寝台車を意味します。

さて、キエフ6時発のインターシティ+の2等車を選んでみましょう。
好きな座席を指定して先に進みます。
また、ここで料金も分かります。

なお、1ウクライナフリブナは4.3円程(2019年11月)ですから、331UAHはおよそ1,500円です。
ちなみに1等車の料金は同じ列車で900UAHとなっていました。
両方に乗ったことがある私ですが、正直申し上げてこの価格差を正当化する付加価値が1等車にあるとは思いません。

ウクライナ鉄道の予約方法
希望する列車の設備(ここではS2の2等車)横のchooseボタンを押して座席を指定する

次に乗客情報を入力します。
「Document type」は学生・子供などの割引適用がなければ「Full」のまま、サービスは2等でも1等でも「1 Tea」だけデフォルトでチェックが入っています。
それ以外にチェックを入れると、後で支払いの時にしっかり加算されています。
入力が終わったら「Add to Cart」を押します。

ウクライナ鉄道の予約方法

確認画面になって、時間のカウントが始まります。
こういうことをされると焦りますが、15分あるので落ち着いて進めましょう。

ウクライナ鉄道の予約方法
水・ホットミールも注文したため、金額が増えている。

問題なければ支払いのボタンを押します。
メールアドレス、クレジットカード情報の順に入力します。
決済に成功するとアドレスにメールが届くので、Eチケットを印刷して現地の乗務員に見せることになります。
ちなみに二次元バーコードもありますが、あまり機械で読み取ることはしていないように見受けられます。
お疲れ様でした。

インターシティ+の車両について

今回乗車記で紹介した現代製の車両ですが、2019年現在、インターシティ+の全ての車両に運用されているわけではないようです。

判別の仕方としては、座席表で車両中央に荷物置き場があったり、先頭車の客室が狭い場合は、現代製ではない車両だと思われます。(仮説)
ウクライナ語で内容は分かりませんが、このページを見る限りそのように推察されます。

ウクライナ鉄道の予約方法
現代製でない車両と思われる座席表。
車両中央部に荷物置き場があり、先頭車(1,9号車)の座席数が少ない。
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ウクライナ鉄道の新時代

インターシティ+及び、現代製電車はウクライナ鉄道の近代化の第一歩といえるでしょう。

もちろん寝台個室に揺られながら汽車旅をする魅力も、また捨てがたいものです。

しかし、スマートな都市間移動列車としての電車特急の登場は、「151系特急こだま」に例えるのはさすがに大袈裟ですが、その後やはり160㎞で走れる国産車両が登場したことからも、ウクライナ鉄道の進歩を示しているのでしょう。

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