大阪・京都間の私鉄特急有料座席乗り比べ②、叡山電鉄で鞍馬寺へ行く

私鉄

阪急京都線に特別車両「プライベース」が登場したのを機に、京阪のプレミアムカーと併せて、大阪・京都間の私鉄有料座席を乗り比べるために京都に行った。
2024年9月上旬、わざわざ季節外れの猛暑日に中途半端な時間で京都観光することもないので、緩徐楽章として叡山電鉄に乗って鞍馬寺を訪れることにした。

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まるで登山鉄道のような叡山電鉄

阪急のプライベースを堪能し、地下の京都河原町駅から地上に出ると9月とは思えないほどの暑さだった。
屋外を観光するのは諦め、京都国立博物館にでも行こうと思ったが、あいにく閉館期間中だった。
ならば帰りは出町柳から京阪に乗ることだしということで、叡山電鉄に乗ることにした。
この路線に乗るのは初めてである。

叡山電鉄の出町柳駅は、こじんまりとしながらもターミナル駅の風格があった。
平成初期のローカル私鉄を思わせる軽快で四角い電車に乗る。
車内は普通のロングシートなのだが、運転席の窓が大きいので前面展望が良かった。
ICカードも利用可能だ。
なお、鞍馬行き以外にも八瀬比叡山口行きの便があるので注意しよう。
鞍馬行きの便は概ね15分毎に運転されている。

始発の出町柳駅

鞍馬行きの電車はしばらくは市街地を走った。
乗客もほとんどが地元民と思われ、たいていが3駅かそこらで降りてゆく。
しだいに両側から山が迫ってきて、山腹に踏みとどまっていた住宅街もやがて見えなくなっていった。

辺りはすっかり豊かな緑に包まれた。
紅葉の季節は色とりどりの美しさがあるのだろうが、緑一色の中にも様々な種類の樹木が見られる。
いよいよ勾配・曲線はきつく、さながら登山鉄道の様相だ。
この頃になると外国人旅行客がたくさん乗ってきた。
私なぞ最近写真を撮るのがだいぶ手抜きになってきたが、彼らは皆で運転席近くの席に陣取り、ずっと熱心に動画を撮影している。
沿線に有名なスポットがあるのかもしれないが、叡山電鉄そのものが観光鉄道化しているようである。

出町柳駅から30分程度で終点の鞍馬駅に到着。
都の喧騒からかけ離れた山中の駅だった。

終着の鞍馬駅

鞍馬寺は少年時代の源義経が籠って天狗に兵法を授けられた伝説が残っていて、駅の待合スペースには天狗の面が飾ってある。
駅舎も内部もレトロな和風だった。

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鞍馬寺へ

駅から鞍馬寺までは歩いてすぐ。
土産物屋や食事処のある細い道を行くと、正面に仁王門(山門)が見えた。
山門に塗られた朱色はくすんでいるが、それだけに味わい深い。

ここから本殿金堂までは、九十九折の山道を登って行くか、途中の多宝塔までケーブルカーに乗るかの二通りがある。(山内の概要・詳細は鞍馬寺の公式サイト参照)
暑さに怠けて、上りは片道200円を払ってケーブルカーに乗った。
叡山電鉄の鞍馬寄りの車窓の眺望を良くしたような道中だった。
寺にいるというよりハイキングに来ている気分だ。

ケーブルカーを降りて杉林の中を歩く。
比較的平坦で日陰なのでとても気持ちの良い散策だ。
幾つか階段を上がって本殿金堂に着いた。
外観は改修工事中だったが内部に入ることはできた。

ここからさらに歩いて奥の院魔王殿を経由して貴船神社まで行き、そこからバスで叡山電鉄貴船口駅(鞍馬駅の一つ手前)に出ることもできる。
だが今日は時間の都合で九十九折の道を下って鞍馬駅に帰ることにする。
「時間潰し」のつもりで来たはずが、時間が足りなくなってしまうのはいつものことである。

本殿金堂から少し階段を降りた所にある転法輪堂では、阿弥陀如来像のまえで剃髪した女性が静かに祈りを捧げていた。
私は詳しくはないが、イスラム教徒の礼拝にも似たやり方だったので仏教の中でも珍しい宗派なのかもしれない。
顔立ちを見ると外国人のようだった。

九十九折りの途中には義経公供養塔がある。
そこまで大きくはない宝塔で特段目を引く看板もないので、ほとんどの人が素通りしていった。
昭和15年に建てられたもののようだ。

さらに下ると由岐ゆき神社があった。
ここは興味深い構造になっていて、拝殿は「割拝殿」といって中央に通路がある。
その通路も階段で、舞台が山の斜面に張り出している。

このように、入口の山門から本殿金堂までの2つのルートのうち、九十九折の道を歩いて登る方が途中の見所が多い。
距離もさほど長くはないので、体力に自身が無い人でなければこちらのルートがおすすめである。

鞍馬駅に着いて電車を待つ。
行きは初乗りだったので心して乗車したが、今度はただ帰っただけだから、あまりよく覚えていない。
出町柳駅からは京阪特急のプレミアムカーに乗って大阪まで戻る。






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